北京中日イノベーション協力モデル区——日本企業の北京投資における優先候補地
中国北京市大興区に位置する「北京中日イノベーション協力モデル区」(以下、「中日モデル区」)は、中国で初の「イノベーション」をテーマとした中日産業協力モデル区である。2020年10月に中国国家発展改革委員会より正式に設立が承認された。設立以来、中日モデル区は、中日間の産業イノベーションの推進と人的・文化交流を含む多方面での対日協力に取り組んでおり、「イノベーションによる共栄(共に勝つ)」を理念に、首都・北京における対日協力の中核拠点としての構築を目指している。また、両国の産業界における多分野での実務的かつ深い協力を推進している。
一.中日モデル区の基本情報
(一)地理的位置
中日モデル区は、北京市の南部に位置し、「首都の新しい玄関口」と称される大興区と北京経済技術開発区の間にある。天安門広場と北京大興国際空港のちょうど中間地点に位置し、立地条件に非常に優れている。日本大使館やCBD(中央ビジネス地区)からは約25kmの距離で、北京大興国際空港まで車でわずか20分程度で、アクセスも抜群である。同空港からは毎日10便以上の日本行き直行便が運航している。東京、大阪、札幌など主要都市へのアクセスも非常に便利である。
(二)空間計画
中日モデル区の総面積は約10平方キロメートルであり、「北京中日国際協力産業パーク管理委員会」および「北京大興国際ビジネスサービス有限公司」によって管理・運営されている。北京に進出する日本企業にとって利便性の高い投資環境を整備し、中日企業間の越境協力を推進している。日本企業に対しては、オフィスや展示スペースなどの施設を無償で提供している。企業の運営コストを最大限に削減している。また、同モデル区には日本語・英語をはじめとした多言語に対応できる国際ビジネスサポートチームを配置しており、企業のニーズに応じて、多言語での政策説明、市場リソースのマッチング、人材推薦など、オーダーメイド型のサービスを提供している。さらに、企業のスムーズな事業展開を支援するため、会社設立登記や税務登録などの商業手続きをワンストップで無償に提供している。日本国内の専門的な知的財産サービス機関も導入しており、企業の技術革新成果を全面的に保護している。加えて、中日間の産業協力プラットフォームを構築し、RCEP(地域的な包括的経済連携)枠組みの下で資源を的確かつ正確にマッチングすることにより、企業の中国および国際市場進出をサポートしている。すでに多くの中日企業がこのモデル区を通じて協力の合意に至っている。日系企業の社員や駐在員の生活面においても、中日モデル区は外国人向けワンストップサービスセンターを設置し、出入国手続きなどを一括して対応可能としている。周辺には北京大学第一病院や北京児童病院などの主要医療機関、北京の有名大学付属中学や国際学校が集まっている。通勤・通学・通院の利便性が高い環境が整っている。さらに、大型ショッピングモール、ブランド店、生活商店、緑地や公園などの施設も充実しており、快適な生活環境を提供している。
(三)国際産業協力の実績
中日モデル区では、すでに500件を超える重点プロジェクトが導入されており、そのうち外資系企業は150社以上、日系企業は40社以上に達している。世界トップ500企業であるパナソニックと、中国の高齢者ケア分野を代表する安馨グループが設立した合弁会社「安馨松茂」、日本の肝疾患治療薬で有名なミノファーゲン製薬、日本を代表する知的財産機関である園田・小林特許業務法人など、著名な日本企業・機関がすでに進出を果たしている。
(四)国際交流と協力ネットワーク
中日モデル区は、中日両国間の国際的なハイレベル交流の促進にも積極的に取り組んでおり、すでに日本貿易振興機構(JETRO)、日中経済協会、中国日本商会などの経済団体と良好な連携関係を築いている。本年5月の訪日活動では、中国駐日大使館および在大阪総領事館を訪問し、パナソニック、三菱グループなどの有力日本企業との交流を実施した。また、大興区と大阪府泉佐野市との間で友好都市提携に関する意向書を締結することにも成功した。さらに、中日モデル区は、「2025年日本大阪万博・北京イベントウィーク」の経済交流活動にも招待され、現地でのプロモーションを行った。6月には、日本国際貿易促進協会の訪中団との交流を通じ、「北京市ハイレベル政策説明会」に参加し、モデル区の開発建設やビジネス環境の整備等について意見交換を行った。また、中国企業の海外展開をより強力に支援するため、北京市経済情報化局の支援を受け、「北京デジタルエコノミー企業海外進出イノベーションサービス基地」を設立した。これは、中国で初めてとなる政府主導・市場化運営・ワンストップ型のデジタルエコシステム型海外展開支援プラットフォームであり、東京にサービス拠点を設置し、ドバイや欧州などとも協力体制を構築している。中日間および第三国市場でのクロスボーダー協力を積極的に推進している。
(五)スタートエリアの高度開発で日系企業の発展環境を強化
中日モデル区のスタートエリアは、総面積約70ヘクタール(ha)、建築面積は約60万平方メートルに達している。「技術イノベーション研究開発」「製品展示・プロモーション」「国際会議・イベント開催」などの機能を集約し、「国際的な模範となる科学技術イノベーション・産業連携モデル」として整備が進められている。建築デザインには、中日両国の伝統文化要素と低炭素・高効率な設計理念を融合させ、ハイレベルな国際イノベーション起業環境の創出を目指す。さらに、日本の有力企業・大学・研究機関との連携を深化させ、新たな中日経済交流の推進力とする。日本人にとってより快適に暮らし、働ける特色的な居住・ビジネス環境の構築を目指し、中日モデル区は日本企業との継続的な対話と協議を重ねている。現在、日本企業の皆様に対し、中日モデル区の開発・建設・運営へのご参画を考えている。中日モデル区は、中日戦略的互恵関係の深化と新たな経済協力の実現に向けた重要な実践の場であり、両国が高品質な協力を共に推進する象徴的な拠点である。首都北京という戦略的な立地を活かし、開かれた姿勢でグローバル資源を受け入れ、イノベーションの理念で協力の橋を架ける中日モデル区は、将来的に中日間の産業連携・人材集積・文化交流・地域交流を体現する象徴的なプラットフォームとなるだろう。ここに、日本企業、起業家、研究者、在日華人華僑の皆様に対し、中日モデル区の開発・建設・運営に深くご参加いただくことを心よりお待ちしている。ともに中日産業協力の新たな未来図を描き、快適な居住・ビジネス環境の新たなエコシステムを築き上げよう。活力に満ちたこの地で、中日友好の新たな物語を共に紡ぎ、新時代にふさわしい中日関係の構築に貢献してまいりましょう。
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